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令和5年5月 清羽亭記念茶会濃茶席

白鳥庭園清羽亭建築35周年記念茶会の澄蘆席(濃茶席)を担当しました。
初風炉の濃茶席ですので、格調高くも爽やかな取り合わせとなりました。   

清羽亭茶会の写真

 寄付の掛物は、江戸時代の公家・中院通躬(従一位右大臣)筆の和歌短冊
 五月郭公「ぬれつつも ゆくかたいづこ ほとときす さつきの雨の おやみなきころ」

清羽亭茶会の写真

 本席掛物は天祐紹杲(大徳寺169世)筆の法語
 花入は南蛮の粽形で、花は橘

清羽亭茶会の写真

 釜は堀山城作の筒、風炉は蒲池窯の土、水指は真塗手桶
 古膳所の肩衝茶入に茶碗は井戸脇で銘「伊予」
 茶杓は徳川美術館元副館長の大河内先生がこの会のために削られ、
 横内宗茂宗匠が「長刀」と命銘・筒書されたもの
 釣棚上の蓋置は、平尾数也(自軽叟)の在判

清羽亭茶会の写真

 釜は「滝登り鯉」(まさに鯉登り)の文様が、非常に美しく繊細に表されていて、
 端午の節句の時期に使うには最高の釜でした

清羽亭茶会の写真

 お菓子は栄・大黒屋製のきんとん、銘「唐衣」
 菓子器は織部の扇面形
 おりしも露地は五月雨にしっとりと濡れて、えもいわれぬ風情でした

令和5年3月 襲名記念・真台子披露茶会

尾州有楽流の宗家・家元の襲名を記念し、奥儀である真台子点前の披露茶会を開催しました。   

 【真台子(濃茶)席】

真台子披露茶会の写真

 床の掛物は冷泉為相筆の後拾遺集切。旧徳川将軍家所蔵の柳営御物です。
 花入は古銅の大曽呂利で、花は窓の月(徳川宗睦命名の椿)。
 点前座の真台子は利休形で桃山期のもの。

真台子披露茶会の写真

 別床掛物は、松屋三名物の一つである白鷺図の写し。焼失した本歌に極めて近似しているとされるもの。
 床前には春日卓に青磁の千鳥香炉。

真台子披露茶会の写真

 宗家・家元の襲名披露の挨拶。
 左から、横内宗茂宗匠、平尾陸二御当主、宗家・平尾宗慶宗匠、家元・水野宗栄宗匠。

真台子披露茶会の写真

 古式に則って裃着用にておこないました。

真台子披露茶会の写真

 お菓子は薯蕷饅頭に口取り(結び干瓢)を添えて。栄・大黒屋製。

真台子披露茶会の写真

 家元による真台子点前。
 渦繋ぎ文の古銅の水指、南鐐葵紋付唐草彫金の杓立・火箸・建水・蓋置。
 茶入は唐物の茄子。
 茶筅置は鶏龍山の刷毛目、釜は大西浄清作の七宝繋文。

真台子披露茶会の写真

 天目は建盞、時代の尼崎台写しの天目台にのせて。

真台子披露茶会の写真

 宗家による御正客への取り次ぎ。
 御正客は音羽御所林丘寺の天野御門跡。

 【立礼(点心・薄茶)席】

真台子披露茶会の写真

 床の掛物は、徳川勝長筆の大黒図。
 花入は松竹梅文の古染付。花は土佐有楽・おかめ桜。

真台子披露茶会の写真

 薄茶の前に、点心と一献を。

真台子披露茶会の写真

 点心は関市の須多製。

真台子披露茶会の写真

 干菓子は栄・大黒屋製の「長生殿」(和三盆製)。
 干菓子器は玉取双龍文の存星盆。

真台子披露茶会の写真

 最後に薄茶を。
 茶器は沃懸地葵紋蒔絵内梨子地中棗。
 茶杓は尾州有楽流宗家の平尾家伝来で松本見休(有楽流を尾張藩に伝えた江戸中期の茶人)の作。
 主茶碗は掛物と同じく徳川勝長の作。

令和5年2月 椿茶会

白鳥庭園のイベント「椿をあそぶ」の協賛茶会として、『 つばきを愛でる市民茶会 椿茶会 』を担当しました。小間の濃茶飾り席と、薄茶の立礼席とを設けました。   

 【濃茶席】

椿茶会の写真

 床の掛物は、椿の和歌が書き込まれている小堀遠州筆の書状です
 花入は古銅の龍耳で、花は姫椿

椿茶会の写真

 点前座には、南蛮芋頭水指に、椿手の茶入(仕覆は明代の蜀江錦)
 茶碗は御本呉器、茶杓は村田一斎(小堀遠州の高弟・茶杓師)の作

 【薄茶席】

椿茶会の写真

 床の掛物は尊証法親王の手になる後鳥羽院宮内卿の和歌と絵
 真塗手桶に椿を種々入れて
 香合は梨子地の松竹椿蒔絵

椿茶会の写真

 床の椿は、右下が「一輪斎」(徳川美術館元副館長の大河内定夫先生が命名の椿)
 真ん中が「専徳庵」、左が「天津乙女」
 椿のお茶会だけあって、珍しい椿ばかりが幾つも

椿茶会の写真

 お茶碗は替茶碗の古萩が写っていますが、当日の主茶碗は永楽回全作の色絵椿文
 茶器は葵紋蒔絵の棗
 茶杓は松永弾正作「玉椿」(野村美術館蔵)の写しです
 水指は大島霞城作の瀬戸染付・四君子文、ところどころに配された丸にウサギ文が可愛らしい水指です

椿茶会の写真

 お菓子はういろう製で、菓銘は「微笑」
 練り切りで椿形のものはよくありますが、ういろうで椿形は珍しいです
 練り切りよりも口当たりが良くて甘さ控えめで、美味しいお菓子でした
 ちなみに菓銘の「微笑」は、薄桃色地に白色のぼかしが入る同名の椿から採ったものです

令和5年1月 新春茶会

令和五年の初釜として、白鳥庭園清羽亭の小間茶室(澄蘆)にて濃茶席を、立礼席にて薄茶席をもうけました。   

新春茶会の写真

 床の掛物は、伝藤原為家筆の新古今和歌集切・春歌上
 花入は青竹の尺八で、花は椿「窓の月」と紅梅

新春茶会の写真

 お菓子は紅梅形の薯蕷饅頭。縁高にのせて

新春茶会の写真

 点前座は、新春若水を使った趣向で釣瓶水指
 瀬戸肩衝茶入に、おめでたく御本雲鶴文の茶碗

新春茶会の写真

 立礼席のお菓子は、薄茶なので軽やかに可愛らしく、羽二重製の「雪うさぎ」です
 濃茶席のお菓子ともども、栄の大黒屋製

令和3年11月 白鳥庭園観楓会 茶室飾り

白鳥庭園清羽亭の書院と小間茶室(澄蘆)にて、江戸期の名古屋城内でなされていた尾州有楽流の茶席飾りを再現しました。
  

観楓会書院飾りの写真

書院は、唐草文蒔絵の台子に建盞天目・唐物茶入・葵紋付皆具を飾った、式正の書院茶の飾りとしました。

観楓会小間飾りの写真

小間は、青磁の硯屏を飾って武野紹鴎好みの道具を配した重厚な草庵茶の飾りとしました。

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